新子を二枚付けで
8/11 夕餉
寿司気分(カウンターで一杯飲りたいだけ)で、すし正に。駐車場で車を降りると「今日、新子ありますよ」とお手伝いに来ている、大将の御子息が私に語りかけてくるではありませんか。歩調が早まり『いよいよ今年も来たかぁ~』と店内へ。はやる気持ちを抑え、常連さんたちに挨拶をしてカウンター席に。
『枡で』とオーダーを返し、自ら『今日、新子あるんですって?』と少々下品かと思いつつも、我慢できず、というよりも『無くなっては困る!』との思いに、つい急いてしまいました。
何が?と思われる方もいらっしゃるやも知れませんが、江戸っ子気取りの私にとって、初物は縁起かつぎのアイテムでして、特にこの新子は別格扱いでして、1年の内にほんの数回しか口にすることができない代物です。画像の通り、その脆弱さに秘められた輝きにうっとりしてしまうのは、私だけではないはずです。
また、この新子をネタまでにする苦労と言ったら正に寿司屋泣かせでして、おそらく今日のサイズですと薄刃の子出刃かカミソリの刃でさばき、振り塩は極薄く短時間で、酢〆の工程も洗う程度かと。
とにかく、大変に神経を使うネタなのですが、そんなに高級ネタではありませんので、ある意味マグロの大トロ並みの、お寿司屋さんのサービス品(儲けにならないという意味で)のネタと言えるでしょう。
味はというと、文句なしの仕上がりで、その繊細さの中にある複雑な味わいは何とも言えません。
言うなれば、稚魚の持つ柔らかな肌に光物独特のえぐ味がほのかに漂う、まるで♪大人の階段のーぼる、君はまだシンデレラさ♪といったところでしょうか。←ぜんぜん解かんない
けど解かる人はいるはず、H2Oでアニメ『みゆき』のエンディングテーマですよ。なんでも昨今は音楽の教科書に載っているとかいないとか。
ツマミでもよいですが、握りでいただくのが一番おいしいと思います。付け台に乗ってもすぐに摂らずに、少々おいて、なれさせてからいただくのが私は好みです。
地タコは常連さんに希望が多いとのことで、以前より柔らかめに茹でてありましたが、そこは太東産の地タコですから、深い味わいはそのままです。かえって固いからと敬遠されるよりは良いかともおもいました。
あとはすし正さんのミル貝はいつ来てもおいしい頭ネタで、富津の白ミルなんですけど、本ミルと見まごうばかりのうまさで、毎回『今日のは?』と聞きたくなるほどの磯香の出しゃばりすぎない、固すぎない、程よい味わいでして、このレベルであれば白ミルで充分と思わせてくれます。ちなみに白ミルと本ミルの見分け方は、開いて袴があるかどうか。本ミルはありません。←今日聞きました
仕上げのヅケまぐろ握ふた貫までに枡を五ついただきました。ごちそうさまです。
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